12誘導心電図
12誘導心電図でf波といわれる心房がふるえていることを表す波がみられれば心房細動の診断となります。
f波が大きく、しっかりみえる場合、心房筋がしっかりあるということになり、心房細動は治る可能性があります。
それに対し、f波がほとんど見えない場合、心房筋は、1分間に300~600回ふるえた結果、傷んでしまっており線維化がひどく、治る可能性の低い心房細動となります。
- 正常な脈
- 治りやすい心房細動
- 治りづらい心房細動
12誘導心電図でf波といわれる心房がふるえていることを表す波がみられれば心房細動の診断となります。
f波が大きく、しっかりみえる場合、心房筋がしっかりあるということになり、心房細動は治る可能性があります。
それに対し、f波がほとんど見えない場合、心房筋は、1分間に300~600回ふるえた結果、傷んでしまっており線維化がひどく、治る可能性の低い心房細動となります。
24時間心電図をとることで心房細動を診断します。脈が速すぎないか、遅すぎないか、心房細動以外に治療が必要な不整脈がないかなどを調べます。
動悸の頻度が少ない場合、1週間の心電図検査で心房細動の診断に至ることもあります。1週間と検査期間は長いですが、お風呂にも入れますし仕事や運動もできますので日常生活を送ることができます。1日のホルター心電図に比べ3倍の確率で診断できます。皮膚かぶれが起こらないように皮膚にやさしい電極を用いるなど、かぶれ対策もしております。
1週間の心電図検査でも発作が捉えられない場合、ご自身で購入していただかなければなりませんが、携帯型心電計、心電図のとれるスマートウォッチで診断に至ることもあります。
心臓の形や大きさ、また、血液を正常に送り出すのに重要な心房-心室間にある弁 の機能を調べるための検査です。左心房の拡大、左心室の肥大、中等症以上の弁膜症がある場合、心房細動アブレーションの成功率に影響するため詳細に調べます。
心房細動で困るのは脳梗塞です。脳梗塞を予防するため、血液を固まりづらくする抗凝固薬の内服が必要です。65歳以上・高血圧・糖尿病・脳梗塞・心不全・心筋症のいずれかをお持ちの方は脳梗塞の危険性が高いです。心房細動自体の治療は薬による治療とカテーテルアブレーションによる治療とに分けられます。
発作の頻度が少ない方は、抗凝固薬(血を固まりづらくする薬)や抗不整脈薬(心房細動を起こりずらくする薬)でしばらく経過をみることも可能です。発作を3分の1程度に減らせますが、完全にはなくなりません。心房細動と付き合っていく治療になります。また、副作用も問題になります。
発作頻度は最初少ないですが、徐々に発作頻度が増えてきて、持続性心房細動になることが多いです。持続性心房細動になると根治率が下がってしまうため、持続性心房細動に進行する前にカテーテルアブレーションにより根治されることをお勧めいたします。
レートコントロールといって脈拍数を下げ、抗凝固薬(血を固まりづらくする薬)を内服し経過をみることは可能です。心房細動と付き合っていく治療になります。
カテーテルアブレーションは、心房細動の根治を目指す治療方法です。
左心房と肺静脈の間に電気を流しやけどを作ることで、肺静脈から発生する刺激を心房に伝わらなくします(肺静脈隔離)。
怖い治療に聞こえるかもしれませんが、開胸の必要がなく、手術時間は1~2時間、入院も数日で済むため、体への負担が少ない治療です。
近年、心房細動の抑制にツボが効果的だという報告があいついてでてきております。ツボ刺激の最大のメリットはいつでも手軽に行える点にあります。簡単でありながら、自律神経のバランスを整えることで心臓の興奮を抑えてくれる効果があります。
中国からの報告では、発作性心房細動患者さん80人をツボ刺激グループ40人、アミオダロン注射薬(一番強い心房細動を治す薬)グループ40人にわけて心房細動に対するツボとアミオダロンの効果を比較しています。その結果、ツボ刺激群で心房細動が洞調律(普通の脈)に戻った割合が高く、(ツボ刺激群85.0% vs. アミオダロン群67.5%)さらに治療開始から洞調律に戻る時間も短かったのです(ツボ刺激群39.6 ± 13.7分 vs. アミオダロン群50.1 ± 14.8分)。また、イタリアのミラノ大学からの報告では、持続性心房細動患者さんの電気的除細動(電気ショック)後、再発防止のためのツボ刺激の効果をアミオダロン内服(一番強い心房細動を治す薬)と比較しております。その結果、ツボ刺激群とアミオダロン内服で同等の効果があったのです。
持続性心房細動アブレーション後の早期再発抑制にツボ刺激が有効という論文も発表されました。アブレーション後、アミオダロン内服に加えツボ刺激を行った群40人とアミオダロン内服のみの群45人を比べたところツボ刺激を加えた群で早期再発が少なかったのです(ツボ刺激追加群12.5% vs. アミオダロン群33.3%)。この論文ではアブレーション後の炎症反応も比較検討しております。ツボ刺激は、アブレーション後の炎症反応(CRP,IL-6,TNF-α,TGF-β,MMP2)を抑えることで早期再発を抑制していると結論づけております。 上記の論文は、ツボ刺激を鍼治療で行っておりますが、指圧による効果の報告もあります。
心房細動患者さんにツボ刺激を指圧で行う群30人と行わない群30人に分け、血圧、脈拍数の変化を観察したところ、ツボ刺激を指圧で行った群で脈拍数、血圧が有意に下がりました。
心房細動に効果があるとされたツボは次の2つです。
内関 |
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神門 |
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