他院にて発作性心房細動に対して2回カテーテルアブレーションを行ったが再発してしまった患者さんです。
1回目はクライオバルーンで肺静脈隔離を行っております。残念ながら再発してしまったため2回目を行われました。
2回目は通常の高周波によるカテーテルアブレーションを行っております。
肺静脈隔離を行い、イソプロテレノール負荷(不整脈を誘発する薬)を行い、左心房前壁起源の上室性期外収縮に対する通電を行ったようですが、再発してしまいました。
3回目のカテーテルアブレーションを当院にて行いました。
通常、3回目のカテーテルアブレーションだと肺静脈が再伝導していることは稀です。
この患者さんも肺静脈隔離はできておりました。
通常よりも大きい左心房後壁隔離、上大静脈隔離を行いました。心房細動を誘発してもすぐに自然停止し、イソプロテレノール負荷(不整脈を誘発する薬)を行っても心房細動を起こすような上室性期外収縮はでなかったため手術を終了しております。術後2年たちますが、再発なく経過しており、抗不整脈薬、抗凝固薬も中止しております。
すべての心房細動を治すことはできないため、治らないと判断した場合、3回目以降のカテーテルアブレーションをお断りすることもあります。
私たちはイソプロテレノール負荷(不整脈を誘発する薬)ですべての心房細動の原因となる上室性期外収縮を出現させ、通電により完全に消失させることは難しいと考えております。
発作性心房細動に対するカテーテルアブレーション後、再発した症例に2回目の治療として
肺静脈隔離+上大静脈隔離+イソプロテレノール負荷(不整脈を誘発する薬)で出現した上室性期外収縮に対する通電を行う群
肺静脈隔離+左心房後壁隔離+上大静脈隔離+イソプロテレノール負荷(不整脈を誘発する薬)で出現した上室性期外収縮に対する通電を行う群
を調べ、学会発表したことがあります。結果、予防的に心房細動の好発部位である左心房後壁隔離を加えた群で2回目のカテーテルアブレーション後の再発率が低かったです。
2回目にやるならどうせなら1回目から行った方がいいのでは と思い当院では、1回目の治療から肺静脈隔離+左心房後壁隔離+上大静脈隔離を行っております。
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