不整脈・心房細動コラム

心房細動 アブレーション 3回目 74歳女性

発作性心房細動、心房粗動に対するカテーテルアブレーション3回目 74歳女性

他院にて2回発作性心房細動に対するカテーテルアブレーションを行いましたが、発作性心房細動で再発してしまった患者さんです。

一般的に高齢女性はカテーテルアブレーションの成功率が低くなることが知られております。

1回目カテーテルアブレーション 肺静脈隔離

1回目のカテーテルアブレーションは肺静脈隔離のみ行ったようです。

その後、再発してしまったため2回目のカテーテルアブレーションを受られたようです。

2回目のカテーテルアブレーション 肺静脈隔離、三尖弁輪下大静脈間線状焼灼

2回目のカテーテルアブレーションで肺静脈隔離、三尖弁輪下大静脈間線状焼灼を行い、イソプロテレノール負荷(不整脈を出やすくする薬)を投与しましたが、心房細動の原因となる上室性期外収縮はでなかったため手術を終了したようです。

残念ながら再発してしまいました。

 

高齢女性の患者さんのなかに治りが悪いかたがいるため、3回目のカテーテルアブレーションというと躊躇することもあります。

しかし、この患者さんは2回目の治療までに肺静脈隔離、三尖弁輪下大静脈間線状焼灼しか行っていなかったのでまだ治せる見込みがあると判断しました。

 

当院で3回目のカテーテルアブレーション

肺静脈隔離はできておりました。三尖弁輪下大静脈間線状焼灼はできていませんでした。大きい左心房後壁隔離を行い、三尖弁輪下大静脈間線状焼灼を完成させました。上大静脈近傍にFAAM mapで悪いところがあることがわかり、慎重に上大静脈に通電を行いました。

イソプロテレノール負荷(不整脈を出やすくする薬)を投与しましたが、心房細動の原因となる上室性期外収縮はでなかったため手術を終了しました。

 

術後1年以上たちますが、再発なく経過しており、抗不整脈薬、抗凝固薬も中止しております。

ページ著者・監修者 院長 濵 義之

濵 義之

主な経歴

2003年山梨医科大学卒業。循環器科の中でも不整脈を専門とし、心房細動に対するアブレーション手術を得意とする。君津中央病院循環器内科の医長・部長などを経て2020年に幕張不整脈クリニック(千葉市花見川区)を開院。5000件程度のアブレーションに携わり、年間500件以上のアブレーション手術を行う。

資格

  • 日本不整脈心電学会 不整脈専門医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本内科学会 認定内科医