発作性上室性頻拍とは、心房に原因があり、突然、1分間に100-200回以上もの頻拍が起こる不整脈です。突然始まり、突然停止することが多いです。動悸、めまい、ふらつきなどの症状が出る方が多く、なかには失神してしまう方もいます。頻拍が長く続くと心不全を起こすこともあります。発作性上室性頻拍の詳細はこちらを参照ください。(上室性頻拍)多くは、カテーテルアブレーションの適応になります。局所麻酔で行う病院がほとんどです。術中は、不整脈をあえて誘発するため動悸がしますし、不整脈を起こりやすくする薬も使うため脈がはやくなります。心臓の手術ということで極度に緊張しているところに、カテーテルからの刺激や薬で脈がはやくなったり遅くなったりするため精神的に相当な負担があると思います。私たちは、少しでも楽にカテーテルアブレーションを受けていただくため全身麻酔によるカテーテルアブレーションを行っております。男性にはつらい尿道バルーンもいれずに行います。寝ている間に不整脈が治ったと喜びの声を多くいただいております。
2020年5月から2025年6月までに発作性上室性頻拍患者さん244人に全身麻酔によるカテーテルアブレーションを行いました。平均手術時間は64分でした。詳細は、房室結節リエントリー性頻拍157人、WPW症候群(房室回帰性頻拍)55人、心房頻拍32人です。術後、再発は5例(2.0%)に認められました。詳細は、房室結節リエントリー性頻拍2人、WPW症候群1人、心房頻拍2人です。房室結節リエントリー性頻拍やhis束近傍起源心房頻拍では、術者としてはとても神経を使うhis束近傍の通電が必要になります。全身麻酔により呼吸が安定することで安全に通電できており、ペースメーカー植込みになった患者さんはいませんでした。発作性上室性頻拍のカテーテルアブレーションでは3泊4日の入院が必要になります。
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