心房細動　アブレーション　再発率　2020-2024年実績

心房細動カテーテルアブレーション1年後の再発率

幕張不整脈クリニックでは、開院した2020年5月から2025年7月までに3092件（2024年622件　主に心房細動）のカテーテルアブレーションを術者一人で行いました。そのうち2020年5月から2024年7月までに全身麻酔下に心房細動カテーテルアブレーション（基本は肺静脈隔離、左心房後壁隔離、上大静脈隔離）を受けられた方の再発率を病態ごとにお示しいたします。当院では肺静脈以外の好発部位である左心房後壁、上大静脈も1回目から念のため治療しております。できるだけ痛みを感じないように、術前経食道心エコーはできるだけ行わず、術中は全身麻酔、術後安静時間も薬で眠っていただいております。術中の尿道バルーンも希望者にはなしで行っております。

再発した場合、2回目の治療は、患者さんごとに異なります。詳細はこちら

他院でカテーテルアブレーションを行い再発してしまい、2回目以上のカテーテルアブレーションを当院で行った患者さんは230名いらっしゃいます。詳細はこちら

合併症に関して、1500件以上連続重大合併症（心タンポナーデ、脳梗塞、手術が必要な合併症、死亡）ゼロになりました。詳細はこちら

２０２５年に発表された論文では、病院の手術件数が多いほど、また、術者の手術件数が多いほど手術の成功率は高くなり、合併症の発生率は低くなると報告されております。（原文）当院でも開院以来、脳梗塞や心タンポナーデが起こる度に様々な改善を行い、1500件以上連続脳梗塞、心タンポナーデ、手術が必要な合併症、死亡といった重大合併症ゼロになりました。これからも安全なカテーテルアブレーション手術を提供していきたいと思います。

術後の確認として当院では、術後3ヶ月後、6ヶ月後に1週間の心電図検査を行い、1年後に24時間ホルター心電図を行っております。さらに、オムロンの心電計の購入をお勧めしており、購入された方には心電図ホームモニタリングで厳格なフォローを行っております。オムロン心電計は、割引価格で購入できる体制にしております。

携帯型心電計の普及により再発率は徐々に高くなってきております。再発リスクが高い方には、抗不整脈薬を投与しております。

発作性心房細動カテーテルアブレーションの再発率

2020年5月から2024年7月までに発作性心房細動（心房細動になったり戻ったりする状態）の患者さん870名に1回目のカテーテルアブレーションを行い、1年後に再発が認められたのは、107名（12.3％）でした。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後の再発は39名（4.5％）でした。

厳格なフォローをしておりますが、捉えられていない発作性心房細動はあると思います。

～80代女性の体験談～　手術中、術後の痛み・鍼治療・退院後のケア

動画「心房細動アブレーション手術後の不安を解消」

持続性心房細動カテーテルアブレーションの再発率（持続期間1年未満）

2020年5月から2024年7月までに持続性心房細動（心房細動が1週間以上持続する状態）の患者さん501名に1回目のカテーテルアブレーションを行い、1年後に再発が認められたのは、65名（13.0％）でした。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後の再発は21名（4.2％）でした。発作性心房細動での再発（たまに心房細動がおこる状態）が10名（2.0％）、持続性心房細動での再発（寝ても覚めても心房細動の状態）が11名（2.2％）でした。

厳格なフォローをしておりますが、捉えられていない発作性心房細動はあると思います。ただ、持続性心房細動での再発は必ず捉えられます。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後、再発リスクの高い方には薬物療法も行い、

490名（97.8％）の方が、心房細動が続く状態から「全く出なくなった」もしくは、「たまに心房細動の状態になった」ということです。

持続性心房細動より発作性心房細動のほうが脳梗塞などのリスクが低くなります。

長期持続性心房細動カテーテルアブレーションの再発率（持続期間1年以上3年未満）

2020年5月から2024年7月までに長期持続性心房細動（心房細動が1年以上持続する状態）の患者さん119名の患者さんに1回目のカテーテルアブレーションを行い、1年後に再発が認められたのは、26名（21.8％）でした。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後の再発は8名（6.7％）でした。発作性心房細動での再発（たまに心房細動がおこる状態）が6名（5.0％）、持続性心房細動での再発（寝ても覚めても心房細動の状態）が2名（1.7％）でした。

厳格なフォローをしておりますが、捉えられていない発作性心房細動はあると思います。ただ、持続性心房細動での再発は必ず捉えられます。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後、再発リスクの高い方には薬物療法も行い、

117名（98.3％）の方が、心房細動が続く状態から「全く出なくなった」もしくは、「たまに心房細動の状態になった」ということです。

持続性心房細動より発作性心房細動のほうが脳梗塞などのリスクが低くなります。

長期持続性心房細動カテーテルアブレーションの再発率（持続期間3年以上）

2020年5月から2024年7月までに3年以上心房細動が持続する患者さん133名に1回目のカテーテルアブレーションを行い、1年後に再発が認められたのは、47名（35.3％）でした。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後の再発は18名（13.5％）でした。発作性心房細動での再発（たまに心房細動がおこる状態）が3名（2.6％）、持続性心房細動での再発（寝ても覚めても心房細動の状態）が15名（11.3％）でした。

厳格なフォローをしておりますが、捉えられていない発作性心房細動はあると思います。ただ、持続性心房細動での再発は必ず捉えられます。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後、再発リスクの高い方には薬物療法も行い、

118名（88.7％）の方が、心房細動が続く状態から「全く出なくなった」もしくは、「たまに心房細動の状態になった」ということです。

持続性心房細動より発作性心房細動のほうが脳梗塞などのリスクが低くなります。

左心房拡大（50mm以上）を認める持続性および長期持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションの再発率

2020年5月から2024年7月までに左房径50mm以上の1週間以上心房細動が持続する患者さん56名に1回目のカテーテルアブレーションを行い、1年後に再発が認められたのは、14名（25.0％）でした。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後の再発は7名（12.5％）でした。発作性心房細動での再発（たまに心房細動がおこる状態）が2名（3.6％）、持続性心房細動での再発（寝ても覚めても心房細動の状態）が5名（8.9％）でした。

厳格なフォローをしておりますが、捉えられていない発作性心房細動はあると思います。ただ、持続性心房細動での再発は必ず捉えられます。

2回以内のカテーテルアブレーション治療後、再発リスクの高い方には薬物療法も行い、

51名（91.1％）の方が、心房細動が続く状態から「全く出なくなった」もしくは、「たまに心房細動の状態になった」ということです。

持続性心房細動より発作性心房細動のほうが脳梗塞などのリスクが低くなります。

上記のように左心房拡大を認める方、持続期間が長い方は再発率が高めです。

左心房が大きい方、長期持続性心房細動の方は治りそうと判断した方のみにカテーテルアブレーションを行っております。

すべての心房細動を治すことはできないため治らないと判断した場合、カテーテルアブレーションをお断りすることもあります。

 

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