不整脈・心房細動コラム

心房細動 アブレーション 4回目 67歳男性

2年続く長期持続性心房細動に対するカテーテルアブレーション4回目 67歳 男性

他院にて3回長期持続性心房細動に対するアブレーションを行いましたが、持続性心房細動で再発してしまった患者さんです。4回目のカテーテルアブレーションは、躊躇しますが3回目のカテーテルアブレーションで左心房後壁隔離を行ったようですが、不完全におわっていたため左心房後壁隔離を仕上げることで治る可能性があると判断し、行うことにいたしました。

1回目カテーテルアブレーション 肺静脈隔離、三尖弁輪下大静脈間線状焼灼

残念ながら再発してしまったため

2回目カテーテルアブレーション 肺静脈隔離 左心房天蓋部線状焼灼 上大静脈隔離 三尖弁輪下大静脈間線状焼灼

2回目のカテーテルアブレーションでは肺静脈の再伝導に通電し、左心房天蓋部線状焼灼、上大静脈隔離を追加したようです。

それでも再発してしまったため

3回目カテーテルアブレーション 左心房後壁隔離

2回目までの肺静脈隔離で、肺静脈は隔離されていたようです。左心房後壁隔離を行おうとしましたが、完遂できずに終了したようです。

その後、持続性心房細動で再発してしまいました。

根治希望が強かったため当院にて4回目のカテーテルアブレーションを行うことになりました。

当院で4回目のカテーテルアブレーション

肺静脈隔離は奥の方ではできておりましたが、手前側には電位があったため肺静脈隔離の隔離ラインをひろげました。上大静脈隔離、三尖弁輪下大静脈間線状焼灼はできておりました。事前の情報通り、左心房後壁隔離はできておりませんでした。左心房下壁をだいぶ含むような大きめの左心房後壁隔離を作りました。通電後、左心房後壁から心房細動の原因となる刺激がでておりました。心房細動を誘発してもすぐに自然停止し、イソプロテレノール負荷(不整脈を誘発する薬)を行っても心房細動を起こすような上室性期外収縮はでなかったため手術を終了しております。約1年たちますが、再発なく経過しております。

ページ著者・監修者 院長 濵 義之

濵 義之

主な経歴

2003年山梨医科大学卒業。循環器科の中でも不整脈を専門とし、心房細動に対するアブレーション手術を得意とする。君津中央病院循環器内科の医長・部長などを経て2020年に幕張不整脈クリニック(千葉市花見川区)を開院。5000件程度のアブレーションに携わり、年間500件以上のアブレーション手術を行う。

資格

  • 日本不整脈心電学会 不整脈専門医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本内科学会 認定内科医